μT-Kernel3.0をSTM32-Nucleo上で動作させる方法

μT-Kernel3.0をSTM32-Nucleo上で動作させる方法を説明します。

開発環境は以下です。

  • PCのOS:Windows11

STM32CubeIDEのインストール

STM32CubeIDEダウンロードサイトにアクセスします。
STM32CubeIDE – STM32用統合開発環境 – STMicroelectronics

サイト下部の「Get Software」から、インストーラをダウンロードします。

今回使用するOSはWindowsなので、「STM32CubeIDE Windows Installer」をダウンロードします。

インストーラを起動して、IDEをインストールします。

μT-Kernel3.0のダウンロード

各マイコンボード用に設定されたμT-Kernel 3.0の開発環境のパッケージであるμT-Kernel 3.0 BSPを使用します。

githubからμT-Kernel 3.0 BSPをダウンロードします。
tron-forum/mtk3_bsp: μT-Kernel 3.0 BSP (Board Support Package) Collection (github.com)

Releasesをクリックします。

今回はNUCLEO-L476RGを使用するので、「BSP for STM32L476 Nucleo-64」のソースコードを任意のフォルダにダウンロードします。
ダウンロードしたソースコードは解凍してください。

STM32-CubeIDEの設定

CubeIDEを起動します。ワークスペースを聞かれるので、任意のフォルダを選択してLaunchをクリックします。この時、フォルダのパスに全角文字が含まれないようにしてください。
以降の設定で、ソースコードがワークスペース直下のフォルダにコピーされますが、コピーされたソースコードのパスに全角文字が含まれると正常にビルド出来ない場合があるためです。

root directoryにはソースコード(解凍してできたフォルダ)内の.projectファイルが含まれているフォルダを指定します。

「Copy projects into workspace」を選択することで、インポートするプロジェクトをワークスペースのフォルダ直下にコピーすることができます。

「IDEのProject Explorer」と「ワークスペースに指定したフォルダ(エクスプローラで表示)」は以下の様になります。
エクスプローラのワークスペースフォルダ直下にプロジェクトがコピーされていることが確認できます。

μT-Kernel3.0のプログラムを実行

機器を接続する

PCとSTM32-Nucleを接続します。
接続には、USBケーブル(タイプA-MiniタイプB)を使用する。

デバッグ出力の表示準備

テラタームをインストールします。

テラタームを起動し、以下の設定をします。

起動時のブレークポイントの設定

デバッグ時に、ブレーク(一時停止)する箇所を「usermain」に変更します。
usermainは、μT-Kernel3.0のユーザ用処理を記載する関数です。

ProjectExplorer内のプロジェクト(mtk3bsp~)をクリック(選択)してから設定を開始してください。本手順が無い場合、Debug Configurationsを設定するプロジェクトを特定することができません。

STM32~をクリックして選択した状態で、左上のアイコンをクリックしてください。

デバッグ実行

上記の手順でDebugボタンを押下したため、デバッグが開始されます。
※また、以下のアイコンをクリックすることでデバッグを開始することが可能です。

usermain関数(app_main.c)の先頭で処理がブレークされます。

Resumeアイコンをクリックすることで、デバッグを再開します。

テラタームにtm_printf関数で指定した文字列が出力されることを確認できます。

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